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展示風景:シャッター_わからないほうのこと ビデオ、3minloop、サイズ可変 2024-26
installation view of shutter_landforms of out of sight video, adjustable size 3min loop 2026
隙間の地形_川のはなし Landform of out of sight_Saga of a River
2016/04/07-05/15 柳川市民文化会館suito、柳川柳川市立図書館全館
わからないほうのことを考える。その広い世界の地形とそこに響く音のことを。
あなたが夢で見た青い上着がどんな青なのか、私にはわからない。
流れる時間を見ているように思える映画も、1秒間に24コマ静止画のその隙間の物理的な黒を脳が埋める錯覚とか。
黒い隙間、みえていないほうを覗く。
わからないという知覚をみとめ、疑問符が重なるような場所を歩いてみる。
浅井真理子
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浅井は知らない土地でしばらく暮らす-帰ってくる-またどこかへ行く を繰り返し、多様な価値観の中で自分を揺らしながら制作を続けてきました。
隙間の地形_川のはなしシリーズは2021年から続けているプロジェクトです。
https://www.marikoasai.com/projects
世界各地で出会った人々に聞いた話をそのまま書き綴る「川のはなし」。
川の水が土地を変え、水もまた2度と同じ形にならないように、綴られた他者の世界は伝達の中でずれて形を変えていきます。
2024年盛夏柳川の地を最初に訪れた際、折しも豪雨の直後、田には水が上がり柵のない道を走ると一面が平な水の印象。すざましい湿度も相まって水の上を走るような水の中にいるような。水(自然という他者)との距離は既知のそれとは大きく違い、位置が定まらない。
その感覚と柳川の地形に興味を持ちアーティスト・イン・レジデンスという制度を利用して再度柳川を訪れました。
この町の古い建物で約一ヶ月半暮らし、道に迷いながら歩き、車で走り回り、人々と話す。そして、「川のはなしのつづきのつづきのはなし」を制作しました。
この町で出会った人々のまばたきを収集して、これまで集めたまばたきと共に制作された映像作品もまた、フィルムの静止画の間の黒い隙間のように、私たちが認識していない広い方へ、わからないほうへと向かいます。
柳川市民文化会館suitoやながわではIF白秋ホール手前の暗闇と、ガラス越しの水路とともに、映像と言葉のインスタレーションを制作川のはなしのつづきのつづきのはなしは、これまで綴られてきた川のはなし(2021) ・川のはなしのつづきのはなし(2021)と共に市内の図書館に、誰もが自由に読めるように新刊本コーナー等に設置され、町の人たちの生活の中に溶け込みました。
川のはなしを水先案内に、町の中でインスタレーションが交錯しながら、作品に触れる人の中に、一過性の、わからないほうの地形を生み出そうとしています。

川のはなしのつづきのはなしのつづきのはなし
子供の頃、どぶ川は雨が降ると氾らんして
素晴らしく溢れた、
とOはいう
最初のMのひとりごとのような言葉とともに、
灰色の薄い箱が届いたのは思いもよらないことだった
パンパンに膨れて、いっぱいで、少しまるみをおびる
削れた角が桃色の排水溝も、青く膨れて、切り取られて、
最初のMは 小さな川に掛かる小さな橋のこっちから、船に見立てた葉っぱをながしてあっちに抜けるそれを飽きずに待った。
こっちからあっちにいくとあっちはこっちになって
もう少し遠くのもう少し大きな川は 上はゆっくりで、下ははやくて 夏休みごとに子供が沈んだ
そういうふうにきいた
ーーー
白い点
花の名前を
TもS知らないという
細い水がめぐる 引っ掻いて削って
ここの水は止まっているとSはいう
動いているように見えるのは風が吹くからだと
細い道 柵もなくて、落ちないように
そこが出口だと言われた場所に行く
急な坂を上がると大きな鳥がいて しばらく回って飛んで遠くに行く
向こうは海
黒い泥の上にあるのは鳥かしら石かしら穴かしら
そこにあるけどそこには行けなくて
あっちもこっちもそっちも水があるから、どっちに向かって走っているのか
道と水の境目がないから
溢れると平に水になるんですよとIが言う
昔は海の底だったんです
そこを歩く
では、頭上に水
亀の鼻はその上で息を吸い息を吐き
あっちもこっちもどっちも溢れてまざる
カブトエビの卵も溢れて流れていなくなる
Wの家にくらし、Wの窓から外をみる
下が細い黄色い大きなカップはティーポットがわり
机の上に派手にこぼしてみんな濡れて文字も滲んでしわしわで
Oが生まれた家は門だけが残り
どっちに行けば入れるのか出れるのかそもそも門はしまっているし
大きな楠木が2本
最初のOと2番目のOはべつのO
どちらのOも遠くにいる
その門はレプリカですよと2番目のTがいう
Sは水の前の椅子に座っていた
SがSだと知ったのは2回目に会った時
最初のSと2番目のSは別のS
向こうからくる水は重いから、ずっと待っていたら下に溜まるとYがいう
そっちにも門があると言ったのもY
最初のYと2番目のYは違うY
2番目のYの庭には大きな魚が上がってくる
暗い道 暗い廊下 家鳴り
背中で聞く音は雨の音ではなかった
はっきり見えると怖いとAはいう
この石はAが拾っていた石
いやその石はもうここにはないけど
ただたくさん拾ってくるのが好きだった
川から川まで石の塀、細い道、片側に落ちないように
5.6人の少年が丸い石を道に落として割っている
割れた石が水の上を何度もはねる
今日の水はこの高さ
大きな石を投げると割れて散らばって
水に落ちて
たくさん音がずれて鳴る
Aは4番目のA
1番目とも2番目とも3番目とも違うA
ここにはもっと大きな楠木
階段に黒い実
今日はたくさん雨が降って
道の近くに水はある
まっすぐ縦に虹が光る、よそ見をしたらすぐに消えた
‥
ここの水は縦に動くと、ずっと話し続ける女性が言う
暗い道
右側の水は黒くて夜の黒と混ざって
では、夜と水は頭上に
古着屋で買った青い上着を小さなバケツにいれて水を流す
青は少しうすくなった



川のはなし(overflow)
ビデオ、モニター、台車、ガラスの外、堀割 9min53sec loop サイズ可変 2026
Story of a River (overflow) video, monitor, trolley, outside the glass, canal,
9min53sec loop adjustable size 2026
シャッター_わからないほうのこと ビデオ、可動式モニター、パソコン 5min~10min loop 2026
shutter_landforms of out of sight video,movable monitor, computer, adjustable size 5min~10minloop 2026
川のはなし 川のはなしのつづきのはなし 川のはなしのつづきのはなしのつづきのはなし
柳川市立図書館全館
川のはなしのつづきのつづきのはなしは、これまで綴られてきた川のはなし(2021) ・川のはなしのつづきのはなし(2021)と共に市内の図書館7館に、誰もが自由に読めるように新刊本コーナー等に設置され、町の人たちの生活の中に溶け込みました。
カードになった本は街の人たちに読まれる間に、順番が変わってしまったり、失われたりするかもしれません。言葉を発した人の意図を超えて、物語は拡散します。
文化会館での映像インスタレーションと、全て図書館に紛れ込んだ川のはなしは、町の中で交錯しながら、作品に触れる人の中に、一過性の、わからないほうの地形を生み出します。

















